ヤマト登場












 我が名はヤマト、マコ殿をお慕いしている。その笑顔は咲き誇る桜をも霞ませ、そのお姿は阿弥陀如来像のごとし。しかしマコ殿には契りを結んだ男がいた、 その名もシンヤ。うむ、名前からして軟派な奴。マコ殿は騙されているに違いない。そして硬派ヤマトと軟派者シンヤは出会う。
ヤマト「待たれぃ貴様!!」
シンヤ「ん、誰だい君は?僕に何か用かい」。
ヤマト「やあやあ我こそは、関東に生まれ人里はなれた山奥の寺で育ち、貴様を恋敵とする一人の浪人なり、その風貌まさに山の如し!そして人はヤマトと呼ぶ者だ」。
シンヤ「…ご丁寧な挨拶ありがとう。僕の名前はシンヤ、花の香りを好み かわいい蜜蜂に優しく微笑みかける男さ。それで結局この僕に何の用だい」。
ヤマト「先ほど憎き恋敵だと申したであろう!!」
シンヤ「恋敵?…っ!!貴様さてはマコを!?…それはあまり穏やかじゃないね」。
ヤマト「クックックッ、一瞬の内に目付きが変わったな。先ほどの軟弱者の目ではなく、守るべき人が居る者のみが見せることが出来る目、それまさに武士の目、その瞳、 獲物を狙う獅子のごとし!!能ある鷹は爪を隠すか…貴様さては出来るな」。
シンヤ「最初から気付いてはいたさ、君がただ者でない事は…」。
ヤマト「当然の事、同類だからな」。
シンヤ「ああそうかもしれない…いや、ちがう僕は血は好まない。争いなど愚かなだけだマキューシ男!!」
ヤマト「ま、まきゅうし…お?ええい貴様あ なにを寝ぼけた事を!女の奪い合いには何人たりとも血を流さずにはおれんのだ!!それ位わからぬ貴様ではなかろう!?」
シンヤ「もちろんそれ位の覚悟は出来ている!しかし愛とは、かも美しいものでなくてはいけない、残酷な愛などあってはならないのだ!!」
ヤマト「愚か者めが、くだらぬ理想論など口にするな!!貴様のような奴がこの日本を駄目にするのだ!」
シンヤ「ユーと僕はたしかに似た者どうしかもしれない。しかし決定的な違いがあるようだね」。
ヤマト「うむ…そのようだな。似てはいるが明らかに違うもの、風神と雷神のように」。
シンヤ「太陽と月のように」。
ヤマト「陰と陽」。
シンヤ「夏の夜空と秋の夜空」。
ヤマト「北風と南風」
シンヤ「ユー&ミー」。
ヤマト「しかし我と貴様…」。
シンヤ「求める者は一緒…か」。
ヤマト「…」。
マコ 「ごめ――んシンヤ、また寝坊しちゃった…そのおじさん誰?」




― お し ま い ―

奴の名は乱桜・叫華
 





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