シンヤ再び












 最近マコが素っ気ない気がする。今日だって一緒に帰ろうとしたら、用事があると言って断られた。僕より大事な用事って何だ? ああ何て事だ、僕は何よりマコを優先してきた。見たいテレビ番組だって我慢したし、歯医者の予約だってすっぽかした。 マコが会いたいと言えば終電が終わっても会いに行ったし、槍が降ってたってへっちゃらだった。 まあ実際ほんとうに槍なんか降ってたら少し考えるんだろうが…。マコへの愛の深さを例えるなら、『今、会いに行きます』ではなく『もう、すでに会ってます』だし、 『君に読む物語』ではなく『君に読み続ける物語』だし、『101回目のプロポーズ』なんてもんじゃなく『365回目のプロポーズ』だ。 マコがラーメンを食べたいと言えば札幌に連れていくし、カレーが食べたいと言えばインドだって連れて行く。寒いのが嫌と言ったら燃え上がる愛情で夏にしてみせるし、 熱すぎるといったら、ウール100%の包容力で春にしてみせる。でもマコにはもうこの気持ちは届かないのか…例え近くにいても、テレビの生中継の如く 二人の距離は遠いのか…。そう、こんな近くに見えるのに…。
マコ 「シンヤ こんな時間まで、補習で遅くなる私を待っててくれたの!?」
シンヤ「えぇっ!?あっ…あったり前だろーマコ!」
マコ 「ゴメンネ、私がお馬鹿さんなばっかりに…でも何で補習だってわかったの?私、恥ずかしくって言わなかったのに?」
シンヤ「おいおいマコ、俺がお前の事 わからないと思ったか?マコはおバカさんだなあ」。
マコ 「もうシンヤのイジワル!でも、ありがと」。
シンヤ「マコ、愛してるよ」。
マコ 「どれくらい?」
シンヤ「そーだなぁ、例え槍が降って…。




― お・わ・り ―

ヤマト登場
 





×CLOSE HOME
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送